長期の固定金利住宅ローンの「フラット 35」
こんにちは!名稲建設株式会社です。
「フラット 35」という言葉を、CM、ネットで目や耳にしたことがあるかもしれません。
これは民間の金融機関と住宅金融支援機構(以前の住宅金融公庫)が提携した全期間固定金利の住宅ローンの一つです。
昨年 12 月に日銀が大規模緩和を修正する方針を定め、長期金利の変動許容幅を 0.25%から 0.50%に拡大したのをきっかけに、住宅ローン金利への注目度が高まっており、今回は返済期間の金利が変わらない全期間固定金利の「フラット 35」について解説します。
「フラット 35」とは
申込者本人または親族が居住するための新築住宅の建築資金・購入資金・中古住宅の購入資金に利用できる住宅ローン。
返済期間の金利が変わらない全期間固定金利であることが特徴で、借り入れの際に職業や勤務形態、勤続年数などの制限が少ないため、幅広い人が利用できます。
提携している住宅金融支援機構は、国土交通省と財務省が所管していた住宅金融公庫を引き継いだ公的な機関です。
住宅金融支援機構が住宅ローン債権を買い取り、証券化して投資家へ販売する仕組みになっているのですが、その信用力の高さから、債権を低い利回りで投資家に販売できるので、金利変動のリスクから民間では扱いにくい全期間固定金利の住宅ローンが提供できるのです。
将来の金利上昇時のリスクを回避したい、金利の事で悩みたくないという方にオススメです。
「フラット 35」の基礎知識
(1)全期間固定金利の住宅ローン
最長 35 年間(最短 15 年~35 年間)の全期間固定金利型の住宅ローンのため、住宅ローン実行時に返済終了までの借入金利と返済額が確定します。
(2)融資限度額は 8,000 万円
借入限度額は 100 万円以上 8,000 万円以下(1 万円単位)で、住宅の建設費(土地取得費を含む)または購入価格以内です。
(3)団体信用生命保険制度(団信)に加入できなくてもローンが利用できる
一般の金融機関では、住宅ローンの利用には「団信への加入が必須」とする場合が多くなっていますが、フラット 35 は、健康上の理由から団信への加入が難しい人でも、住宅ローンを利用できます。
団信とは、ローン返済中に借り入れている本人が死亡したり、重篤な症状に陥ったりした際に、ローンの残金を代わりに保険会社が支払う制度です。借入時に健康状態に問題があった場合、団信に加入できないことがあります。
(4)保証人が不要
住宅ローンでは連帯保証人が必要になることがありますが、フラット 35 では不要です。さらに、保証会社へ保証料を払う必要もありません。
「フラット 35」のメリット・デメリット
●メリット
① 幅広い方の利用が可能
一般的な金融機関の住宅ローンでは収入の安定度なども審査されるため、勤務形態や勤続年数などが条件とされることがあります。フラット 35 では年収基準(前年の収入)で判断されるため、自営業や転職間もない方なども利用しやすい住宅ローンです。
② 返済期間中は金利が変わらない。
全期間固定金利の住宅ローンです。そのため、借入金利が完済まで固定されます。毎月の返済額や返済総額が借入時に確定するため、安定した返済プランを立てられます。
③ 繰り上げ返済手数料がかからない。
資金に余裕ができて、繰り上げ返済する場合でも手数料が発生しません。金融機関窓口での繰り上げ返済は 100 万円以上からとなりますが、インターネットサービス「住・My Note」を利用した場合は 10 万円から繰り上げ返済を行うことができます。小額から繰り上げ返済できるのは、大きな魅力ですよね。
●デメリット
① 変動金利型と比較すると金利が高め
変動金利型のローンは、政策金利を基準に決定される「短期プライムレート」と連動した金利が採用されています。そのため、現在は非常に低い金利に設定されています。
金利は変動するため、将来的に金利が上がる可能性があるものの、完済時まで金利が全期間固定金利の水準を上回らない場合、変動金利型の方が返済総額は少なくなることがあります。
② 借入額が住宅価格の 9 割を超えると金利が高くなる
フラット 35 では、建設費または購入価額まで融資を受けることが可能です。ただし、頭金を購入価額の 1 割以下しか用意できず、9 割超の金額を借り入れる場合は金利が上がります。
借入額が住宅価格の 9 割を超える場合は、あらかじめ少し金利が高くなることを想定した返済計画を立てましょう。また、可能であれば、両親等からの住宅資金援助も検討してみると良いでしょう。
「できるだけ安定した生活を送りながら、素敵な家で暮らしたい」というのは、多くの人々が求めるもの。フラット 35 は、それを実現する手助けになる住宅ローンです。
より幅広い人々へ住宅ローンの門戸を広げるとともに、全期間固定金利であるため、長期にわたる生活設計を可能としています。
今後、住宅の購入を考えている方は、ぜひフラット 35 の利用を検討してみてくださいね。
【フラット35】住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫) (jhf.go.jp)
住宅ローンの「フラット 35」 長期の固定金利 借りやすく :日本経済新聞 (nikkei.com)